“香り”を用いたブランディング「ブランドセント」と商標の保護

“香り”を用いたブランディング「ブランドセント」と商標の保護山本特許事務所 │ 大阪・阿倍野区kinmokusei-150x150

近年、ブランディングの手法として「香り」を取り入れることが試みられております。

臭覚は、五感の中で唯一感情に直接的に働きかけるといわれており、また、記憶中枢に働きかけるため、特定の香りをかいだ際に過去の記憶がよみがえるそうです。(日経BP netより引用
「香り」がブランディングにどのように用いられているかというと、例えば、店内において、企業イメージに沿った「香り」を漂わせておくことによって、店を訪れた消費者に対して「香り」と店舗を関連付けたイメージを強く印象づけることができます。
また、別の場所において近い臭いを嗅いだ場合に店の「香り」を思い出し、この「香り」をきっかけにして店のことを思い出します。
金木犀の香りをかぐと、なんとなくトイレの芳香剤を連想する感覚が似ていますね。

このように、香りと関連付けることによって、消費者の感情に直接的に働きかけ自社の印象をより強いものとするブランディングを「ブランドセント(Brand Scent)」といいます。

現在、ブランドセントを実施している企業としてANAがあります。
ANAは、空港のラウンジのエントランス、機内で乗客に配るおしぼり、アロマカードに「香り」を漂わせ、空間の演出を図り、乗客に対するブランドの愛着度の向上、即ち、ブランド力の向上を図っているようです。
他にも、新車が工場を出る際にブランドごとの「香り」を人工的につけられていたり、カネボウフーズ(現クラシエフーズ)のフレグランスガムやソニーや富士通の手掛けたアロマ携帯など、着々とその「香り」市場を広げています。

日本の商標法においては、現時点では「香り(におい)」は保護対象となっておりませんが、特許庁は、「香り」を商標登録の対象とするための法改正の検討に入っています。(朝日新聞 香り、音、触感も商標の保護対象 特許庁、来年法改正へ

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2013年2月3日 | カテゴリー : blog, brand | 投稿者 : yama