モノの価値を高めるデザイン性も、重要な事業戦略の1つ

モノの価値を高めるデザイン性も、重要な事業戦略の1つ山本特許事務所 │ 大阪・阿倍野区アップル社のiphone、ipadなどCI(Corporate Identity)に基づいた斬新なデザインが消費者の心をとらえ、世界的に爆発的な人気を博しているのはあなたもご存じのことと思います。
アップル社以外にも、米ヒューレット・パッカード社もパソコンの世界シェアのトップを維持しています。
そのためには、自社ならではの付加価値が必須と言えるでしょう。

-「数多くの競合が世界でひしめき合っている中で、素材にこだわってモノとしての価値を高めることが、競争力の源泉になる」-

2012年10月5日の日経新聞より

日本ヒューレット・パッカード社においては、素材や質感を重視したデザイン戦略を事業戦略の一つとして捉え、資金を投じ、ブランドロイヤルティーの向上を図っているそうです。
それらデザインが、パソコンの性能自体を向上させていることは少なくとも、市場に訴えかけるイメージなど新たな価値を生み出していることは間違いありません。

そうしたデザインを保護する知的財産権として「意匠権」があります。
意匠権は、簡単にいえば「物品のデザイン(外観)」を保護することを目的としています。
優れた物品のデザインを保護しようとするものです。

例えば、新しいはさみを開発し、刃の形状が従来にない斬新な形状をしているのであれば、意匠法で保護される可能性があります。

デザインが斬新な場合には、意匠権でデザインを保護していくことがこれから益々重要となるでしょう。
一方、斬新なデザインを実現するために新規な技術を開発した場合には、特許での保護も検討する必要があります。

上記のはさみの例でいえば、はさみの刃の形状を特定の形状とすることによって切れ味がよくなった場合には、その技術は特許法や実用新案法で保護される可能性があります。

一つの商品を見たときに、デザイン面と技術面の双方から検討することによって、技術の多面的な保護が可能となり、事業戦略の自由度と優位性をより確実に確保できると言えるでしょう。

[CI= Corporate Identity]
企業文化を構築し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、またわかりやすいメッセージで発信し社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつ。
ウィキペディアより抜粋

■特許庁より以下の事例集も発行されております。(概要版PDFをダウンロードできます。)
なるほど、日本の素敵な製品 デザイン戦略と知的財産権の事例集
なるほど、日本の素敵な製品 デザイン戦略と知的財産権の事例集-2

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2013年1月22日 | カテゴリー : blog, dezain | 投稿者 : yama